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『ノマドライフ(本田直之)』を読んで、福岡に移住してみたくなった。

2023年1月7日

いだゆ

長野県出身。関東圏で働くサラリーマン。
明治大学を卒業後、オンワード樫山、ジョンソン・エンド・ジョンソン等に勤務。
趣味は読書(年間200冊ほど)、旅、犬猫。
【Twitter】@tabihonkoe
【Note】https://note.com/yuki423

「ノマドライフ」とは

コロナ禍になって、丸3年を迎えようとしている。
その間、テレワークや移住に象徴されるように、我々の生活や仕事は劇的に変化を遂げた。

そんな今日この頃、ふとKndleライブラリを眺めていると、本書が目に止まり、読み返してみた。
本書の出版は、なんと2012年。
以前書いた『まだ東京で消耗してるの?』に関する記事とも共通するが、「タイムマシンで現在を見にきた後に書いたのではないか?」と思うような内容だった。

まず、本書のタイトルにもなっている、「ノマドライフ」の定義はこうだ。

・仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2ヵ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それが良いスパイラルになるライフスタイル。これが私にとっての「ノマドライフ」。

読んでいるだけでワクワクしてくる、めちゃくちゃ理想的なライフスタイルだ。

 

会社員のメリット

しかし、(その対極にあるような)会社員のメリットも強調され、それを活かしつつ準備を進めることの大切さも説いている。

・会社をすぐに辞めてはいけない。ベーシックインカムを確保しつつ、他の仕事の可能性を模索していきましょう。

・「ベーシックインカムは保証された上である程度の自由が利く」のが会社員という立場。このメリットを最大限に活かさない手はありません。

・会社員だからこそ、ノマドライフの準備が安心してできる。

 

「ノマドライフ」実践のポイント

その「ノマドライフ」のために、心がけるポイントとして、以下が挙げられている。

・ポイントは、地方にいながら都心に仕事をするということ。
・所有物を半分にする。
・所有よりも経験にお金を使う。
・ノマドライフを目指すなら、とにかく早起きするべき。早起きは人生の重要なスキル。考えることや、何かインプットすることは朝やった方がいいと実感しています。

 

「アイデア」について

そのライフスタイルのためにも重要な「アイデア」についても、興味深い内容が書かれている。

・アイデアと移動距離は比例する。

・移動中はとてもアイデアが浮かびやすいと、私自身、実感しています。特に飛行機の中はクリエイティビティが高まります。恐らく、ネットも繋がらない搭乗中にできることはごく限られており、持っているモノも少ないからでしょう。一番多目的に使えるのは自分の脳だということを、再発見できるのかもしれません。

・私は昔から、車や電車など、動いていて適度な揺れがある環境で、様々なアイデアを生み出してきました。ビジネス、本、次の年の目標は、ほとんど移動中にひらめいています。最近では、走りながら考えていることもあります。

・移動中にアイデアを書き留めるのは大判サイズのノート、あるいは手帳です。アイデアがうわーっと出てくるので罫線も不要、むしろ邪魔になります。フリーハンドでできる限り自由に書くのがベスト。

・アイデアはパソコンやiPhoneより、手書きと相性がいいようです。

・日常ですぐにできる思考のトレーニング
①いつもと違うことをやってみる。
②室内から屋外へ。夜から朝へ。

 

福岡に住んでみたくなった

余談だが、本書を読んでいて、福岡に住んでみたくなった。
以前、一度だけ行ったことがあるが、改めて「非常に魅力的な街」ということが伝わってきた。

・福岡は「良いライフスタイルを作りやすい街」。街がコンパクトで、海や山が市街地のすぐ近くにあり、ハワイにも似ています。さらなる好条件は、博多駅から空港まで地下鉄で2駅、10分足らずでアクセスできること。日本で最も海外に近い大都市なのです。気候も良いし、家賃は東京の半分程度。

 

読書メモ

(※個人的なメモのため、一字一句が本文と同じではありません)

今日が人生最後の日だとして、今日これからやることは、本当にやりたいことか?
何日ものあいだNOという答えが続いた時は、何かを変えなければならない。
(スティーブ・ジョブズ)

都心や首都圏などで数千万円する家を35年ローンで買うこと自体、これからの時代ではリスキーだと言わざるを得ません。

なぜ収入が上がるのか。ノマドライフは、続けていくと、ライフスタイルそのものがコンテンツになるからです。ライフスタイルを突き詰めるほどに生活や仕事のスキルが上がり、その上がったスキルからビジネスをクリエイトする能力がつくのです。

私が各フェーズで変化を遂げた原動力の一つが、ビジネス書の多読でした。

読書は投資である。

私は室内より外にいる方が仕事が捗るので、海が見える場所やプールサイドなどで本の原稿をチェックすることも。

そもそも、会社であれば、取引先が一つというのは危険極まりない状態です。

仕組みの中で上がる成果に満足し、社内の人とばかり付き合っていると、会社の素晴らしい仕組みに「洗脳」されてしまい、ふと気づけば身動きが取れなくなります。

「会社を愛するだけでなく、その仕組みから何か学び取る」という貪欲さを持つ。

「ここだとアイデアが浮かびやすい」というサードプレイスをいくつか持っておきましょう。私の場合だと、近所のスタバやカフェ、飛行機の中。夏なら近所のジムのプールサイドなど、季節や気分に応じて選んでいます。

私が常に最新のデバイスに買い替えているのは、0.1秒でも遅いのが耐えられないからです。積み重なれば、多大な損失になると認識しています。

デバイスは仕事に深く関わるものであり、社員代わりと思えば安い投資。わずか6〜7万円で1年半程度、24時間365日、フルに働いてくれる社員はいません。新しいバージョンに買い換えるだけで効率が上がっていくのですから、ノマドワーカーにとってデバイスに投資することは、企業にとっての設備投資と同等です。

3年前のPCを使っている人も、私には理解できません。特にノマドワークをしようと思うなら、呑気に古いものを使っている場合ではありません。最新のテクノロジーに対する知識を蓄えるためにも、積極的に投資していきましょう。

クレジットカードを何枚も持ち歩くのは意味がないこと。必要最小限のカードを戦略的に持つトレーニングをしましょう。私の場合、AMEXとVISAだけ。自分にとって今必要なカードのサービスを徹底的に見極めることが大切です。

アメリカン・エキスプレスはもともと世界最大の旅行代理店の一つなので、本質はトラベルカードです。移動が多いノマドライフに役立つ付帯機能があります。

もう一つのチェックポイントは、旅行傷害保険が手厚いもの。

クレジットカードの年会費など、人を雇ったり保険に入ることを思えば安いものです。

ノマドライフに不可欠なのは、「自己責任思考」です。何かあった時、他者に原因を求めてはなりません。騙されたり、ひどい目に遭ったりしないように、策を講じておくのは当然のこと。それでも想定外のトラブルに見舞われたら「見抜けなかった自分にも問題がある」と考えられないと、特に海外ではやっていけません。

「自己責任思考」を養うにあたり、「安易に人に聞かないこと」は、絶対に守るべき大原則です。人に聞く前に自分で考え、思考能力を高めることが重要です。最後に責任を取るのが自分だと思えば、「わからなければ、聞けばいい」と気軽に済ませることが恐ろしくなるのではないでしょうか。何か疑問があるにしても、まず自分で調べて、自分なりの基礎知識を蓄えた上で聞きましょう。

自分で考えて決断することも、大切な「自己責任思考」のトレーニング。

「自己ブランド」強化のための「セルフメディア」を持つ。

セルフメディアで発信を続けていくとブランド力が上がり、やがて売り込まなくてもビジネスの話が来たり、営業しなくてもクライアントを獲得したりすることが可能になります。

セルフメディアでまず重要なのは、意味のあるものを発信していくこと。

集金ツールを目指すのはやめて、あくまで自分の思考を高め、情報をシェアする意識を持ちましょう。セルフメディアとは、極論すれば、高額のギャラが発生するくらい質の高い情報を無料で提供していくことによってバリューが出るものです。ノマドライフのベースは個人ですが、会社組織と互角くらいの大きな力を持つためにはセルフメディアを持つべきです。

「もし旅をすることが可能なら、子どもを育てるには、それがベストな方法だと思う」(アンジェリーナ・ジョリー)

「各地を転々と移動することによって、素晴らしい文化や異なる宗教、生活様式に子どもたちを触れさせる。それは、最高の教育だと思う」(ブラッド・ピット)

 

まとめ

数年前に『ノマドランド』という映画がアカデミー賞を受賞したが、あのような生活がスタンダードになる日も、そう遠くないのかもしれない。
今後の生き方を考えさせられる一冊でした。

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