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「ミニマリスト」の本質を知った:『超ミニマル主義(四角大輔)』

2023年2月26日

いだゆ

長野県出身。関東圏で働くサラリーマン。
明治大学を卒業後、オンワード樫山、ジョンソン・エンド・ジョンソン等に勤務。
趣味は読書(年間200冊ほど)、旅、犬猫。
【Twitter】@tabihonkoe
【Note】https://note.com/yuki423

「ミニマリスト」ブーム

「ミニマリスト」という言葉や概念がブームになってから、どのくらい経つだろう。
そういったテーマの書籍も何冊か読んだことがあるが、この本は少し、視点が違うように感じた。

従来は「モノを捨てる」「モノを持たない」という部分ばかりがクローズアップされがちだった印象だが、次の一節が示すように、この本はより本質的な部分にフォーカスしている。
「次世代のミニマリストは本質的で、ただモノを捨てるのではない。大事なことのために、どうでもいいことを削るのだ」

「手段の目的化」という言葉があるが、多くのことは「何のために」という視点が抜け落ちると、本質から乖離していってしまう。
本書は様々なことを「ミニマル化」するための本だが、この内容を実践していくことで、人生における生産性は「最大化」するだろう。

 

抜き書きメモ

(※個人的なメモのため、一字一句が本文と同じではありません)

友人、先輩、上司を過労死と自殺で失った経験から、「仕事よりもライフスタイルを優先すべし」を信条に、「生き方・暮らし方・遊び方」に特化して作家活動を行ってきた。

働く時間が充実しない限り、本当の意味で「幸せ」を感じ、人生を「豊か」にするのは難しいのではないか。「仕事を愛せず、人生は愛せない」。そう考えるようになった。

30〜40代こそが最も可能性がある世代だ。世の中を変えた人の大半が、この世代に集中している。

「素直さは最大の知性」(アインシュタイン)

次世代のミニマリストは本質的で、ただモノを捨てるのではない。大事なことのために、どうでもいいことを削るのだ。

「好きなモノしかない暮らし、好きなコトしかしない仕事」。今やそんな人生は実現可能となった。

「働き方は、生き方である」

モバイルテクノロジーを駆使して、どこでも仕事ができる仕組みを構築。集中力が最高の早朝をフル活用する、超効率的な時間術を完全実行できるようになった。

お金とは「バーチャル」な存在で、その価値は秒単位で変動し、国が財政破綻すると紙切れ同然になる。だが、モノやスキルといった「リアル」の価値は簡単に下がらず、10年から一生というロングタームで活用できる。

仕事は究極の遊び。

「生きることの達人は、仕事と遊びに区別をつけない」(老子)

「不確かな他人の意見ではなく、自分の心の声に従って生きてきてよかった」。今は、自信を持ってそう言い切れる。

手がふさがる上に機動力が低下し、預けることで紛失リスクがある大型スーツケースは使わない。荷物は、機内持ち込み(重量制限8kg)のリュックと小型メッセンジャーバッグだけ。

「教えてください」と先輩や上司、同業者や取引先、そしてデキる後輩に聞きまくった。ヒットメーカーと呼ばれるようになってからも、「そんなことも知らずにやってたんですか」と驚かれながら、誰彼構わず教えを乞い続けた。

50代となった筆者のリアルな体験と、周りの尊敬する先輩たちの姿から言えるのは、30〜40代こそが自己投資に最適な時期だということ。その投資は必ず50代以降で、巨大なリターンを生み出してくれる。

10年以上使っているのが、urban ultralight「バタフライウォレット」。わずか5gと、100円玉1枚と同じという軽さで、調べる限りこの形状のサイフとしては世界最軽量。

わずか数秒の手間でも、何度も繰り返す動作だけに、累積すると1日で数分を、1週間で数十分を無駄にする。

荷物は「グラム単位」で精査すべしと前述したが、時間においても「秒単位」で意識しよう。

ポイントカードやクーポン券などはサイフを厚くするし、お店への「縛り」を生んでしまうので所持しない(ポイントカードアプリ「stocard」を利用するのもいい)。

小銭は重いのと、支払い時にかなりの秒数をロスするので持たない。

僕の周りの仕事ができる人はみなサイフにこだわっている。

普段より荷物が多い時、3泊〜1週間の国内外の出張時には、小さな防水リュックを活用する。経験上、15〜25Lサイズがオススメだ。

しんどい出張やタフな外回りの仕事で、両手がフリーというだけで気分が全く変わってくるから不思議である。

財布とカバンの中身の精査を、毎日帰宅後に行う。

持ちモノをミニマル化すると、精神的にも楽になる。脳内ノイズも減って意識がクリアになり、感性が研ぎ澄まされていく。

液体を除けば、荷物で一番重いのが紙である。

1日の快適さは、常に肌に密着するアンダーレイヤーが決めるから、フィット感は妥協なく追求すること。

ある後輩は、僕のアドバイスを受けてスーツを軽くした結果、疲れ方が変わったという。

持ちモノだけでなく、衣服を軽くするだけで誰もが「明快な結果」を得られる。

ほとんどの人がアウターの重さに無頓着だ。肩と首へダイレクトに負担をかけ、体全体を疲れさせるのに。重い肩こりに悩む友人は、60分マッサージに通っても半日ほど楽になるだけだったが、アウターを半分の重さにしただけで完治。それくらい劇的に効く。

革製のものは重いので、「レザーは避ける」が基本。

「超軽量ダウン+超軽量レインジャケット+超軽量ウインドブレーカー=330g」という、わずかTシャツ2枚ほどの超軽量アウター3点があれば、日本の北国や北極圏までクリアできる。

靴を買い換える前に、super feetのインソールに交換してみよう。アスファルトには「カーボン」か「ブラック」がいい。

「足回り」は、ビジネスパーソンにとっては最重要インフラである脳と体を支える「土台」だ。

現代の日本人は「視界ノイズ」と「空間ノイズ」に鈍感すぎる。

デスクの紙類はゼロを目指す。

視覚的にノイズレスで、身体的に楽なデスクで仕事をすれば、今まで1時間かかっていたタスクが30分で終わるようになる。いいアイデアやいい企画を思いつけるようになる。

意識するしないに関係なく、不要なノイズが視界にあると、脳はそれを無視するために無駄なエネルギーを消費する。結果、本人の自覚なしに脳は疲労してしまう。

まず、デスクトップ上に「Temp」というフォルダをつくる。今後、「とりあえず」というファイルはすべて「Temp」に入れること。

フォルダ名を漢字の「仮」とせず英語にしているのには理由がある。アルファベットは外国語だから、言葉として頭に入ってこないため、ノイズにならず「意識を邪魔しにくい」から。

このTempフォルダの中は、月に一度は必ず確認すること。この先使う予定のないファイルは迷わずゴミ箱へ。絶対に必要だと確信できるものは、適切なフォルダに移動。この作業は、月末にやるといい。ちなみに、9割のデータはゴミ箱行きとなる。

デスクトップの写真を変える。できれば、過去最も感動した景色に。

良い写真がなければ、「unsplash」と「pixabay」を利用するといい。

世界一好きな南仏マントン。

スマホのスリープ画面とホーム画面にはPC以上にこだわろう。心揺さぶる「世界一の縦画像」を選ぼう。

「photo cleaner」「gemini II」「hashphotos」のアプリで年に1回60分、写真を整理する。

アプリは、見た目は小さなアイコンだが、重いデータの塊だ。さらにその性質上、スマホの心臓部(CPUやメモリ)に大きな負荷をかける。

アプリの取捨選択の基準は、シンプルに「過去1年に使ったかどうか」。四季を通して使わないものは、この先も使うことはない。ちなみに服や家のモノを手放す基準も同じ。アプリは服とは違い、再ダウンロードできるから気軽に削除しよう。

全アプリを1つのホーム画面に収めること。

今やどのスマホも充分な性能を備えているから、1gでも軽く、1mmでも小さなモデルを選ぼう。軽量コンパクトなほど使いやすく、出し入れも楽になり、1日を終えた後の手首や肩の疲れが違ってくる。

スマホが高性能化した今日、もはや新機種は不要。僕は、世界No.1の中古品サイト「back market」で買う。格安なのは当然、新品同様に整備され、保証期間1年が付く。

PCは、ストレージの使用容量が、7〜8割を超えると動作が遅くなる。

クラウドの容量は、「PCのストレージ容量の2倍から3倍」が適切だと考えている。その分料金は数百円から千円近く上がることになるが、月に「ラテ1〜2杯分」で、労力減&時短ができるなら安いもの。筆者はDropboxとiCloudをそれぞれ2TBずつ契約している。合わせて月2500円。「手間の最小化」と「安心の最大化」のための有益な投資と考えている。

GAFAのなかでAppleだけは異色で、広告収入に頼らないビジネスモデルを貫いている。

アプリの設定を間違えると、デバイス内の写真・動画データ、位置情報までもが筒抜けだという。技術的には、デバイスのカメラやマイクまでも起動することができると、一部のテック系ジャーナリストは警鐘を鳴らす。

一方的に情報を押し付けてくる通知は全デバイスで基本OFF。

通知と同じく、勝手に送られてくる「メルマガ」の登録もゼロで、ECサイトからのPRメールはもちろん全解除。必然的に、受信ボックスには必要最小限のメールしか届かない。

筆者は普段、3つのニュースアプリしか見ない。国内ニュース用で「NHKニュース・防災」と「東京新聞電子版」、海外ニュース用で「ロイターニュース日本語版」のみ。3つすべて、見やすいアプリがお薦め。

Yahooやlivedoorといった、情報機関ではない「ポータルサイト系ニュース」は一切見ない。ファクトチェック機能はないに等しく、アクセス数を稼いで広告収入を増やすべく、人の注意を引く刺激的なニュースを中心に選んでいるからだ。

情報ノイズ時代に最も有効な対策は、視覚を奪われないように努めること。「聴覚メディア」を利用すれば、脳ハッキングをかなり回避できる。筆者が最も活用するのが聴覚メディアで、車の運転中や、畑仕事をしながら聴いている。一番推したいのはオーディオブック。筆者の知識を大幅にアップデートしてくれた。

「情報は絞った方がいい」と断言できる。

「過去1年に一度でも使ったことがあり、向こう1年以内に再び使うモノ」以外は手放す。

最新の調査によると、人は毎日16〜55分の時間を「探しモノ」に費やすという。仮に16分を一生(60年)に換算すると5840時間、約243日にもなる。この日数があれば、船旅で地球を2周半できるし、外国語を習得できる。人生を変えられる期間だ。

「あると便利」ではなく、「無くても平気」という思考へシフトしよう。下山まで数日かかる山奥や、陸地が見えない外洋にカヤックで出た後に、道具の選択ミスが判明すると「死」もありうる。だが、これほど便利な日本で「無くて死ぬ」なんて、起きることはない。

1日は「夕方」から始まる。「夕方の過ごし方」と「睡眠の質」が、翌日のパフォーマンスを決定づけるからだ。

ビジネスパーソンにとっての最重要インフラ=身体。

睡眠時間は7時間前後を境に、長くても短くても生活習慣病の罹患率が高まると複数の研究が示している。なお、世界の長寿の人たちの平均睡眠が7時間、死亡率が一番低いのが6時間半〜7時間半、ジェフ・ベゾスなど多くの有名CEOは約8時間寝ている。スタンフォード大学教授で睡眠学の権威、西野精治氏によると「指標として7時間前後を目安にするのがいい」とのこと。

夜の明るい照明は交感神経を刺激するため、眠る1時間前には部屋の照明を落とす。

男性は30歳、女性は40歳以上になると、加齢によって交感神経が優位になりがち。

僕は家では日中からスマホを「ダークモードON」「ブルーライトOFF」「機内モード」にしている。そして遅くとも入眠2〜3時間前からWi-Fiルーターの電源を切る。浅い睡眠に劇的に効く。

「一番高い午前中の集中力」を利用して、タスクやメール処理、事務的な業務を短時間で終わらせる。

人の集中力は、夜明けからピークを迎え、太陽が昇りきる頃から低下し始め、日没後に下がり切る。脳を覚醒させるホルモンによる生体特性。

筆者は、頭脳労働や創造性を要する仕事などの「1人で集中するタスク」を「ソロワーク」と呼び、午前中に取り組んできた。会社員時代であれば、広告やビジュアルの指示書、プレゼン資料や企画書作成など、今は執筆やコンセプトメイキングなどが、それにあたる。

電球が普及してから、まだ100年も経っていないため、250万年という長い人類の歴史においては、明るい照明は「最近の出来事」で、人間の体はこの状況に未対応なのだ。

22時に寝て5時に起き、早々に身支度を終えて5時半から業務に取りかかれた日の生産性は最高だ。ランチまで6時間もある上に、脳疲労がないフレッシュな頭を使える。

小さく移動するだけで脳がリフレッシュされて、高い集中力が維持できる。

クリアな頭で、穏やかな朝の時間帯に、PCや書類と向き合い、じっくり頭を使うソロワークを終わらせ、11時半から早めのランチ休憩を取っていた。

午前中にアポが1つ入るだけで朝のソロワークは邪魔され、集中力が分断されるため生産性が著しく下がる。

「急ぎのタスクやメール」「今日出すべき書類」は午前中に終わってるから、締切に追われていたり、何かが気になってモヤモヤすることもなく、頭はクリアだ。この「追われてる感」や「気になる感」が、ストレスホルモンを分泌させて脳を激しく疲労させ、判断力を鈍らせる。

午後の時間帯に5〜15分程度のパワーナップをとる。

月曜日の午前中は集中しづらくソロワークは午後にこぼれがち(休み明けなので、朝から問い合わせが相次ぎ、突発性タスクが発生)なことを想定して、午後のアポは最小限に。残り4日のパフォーマンス維持のために、定時に退社。まっすぐ家に帰り、ベストなセルフケアタイムを心がける。

誰もがモチベーションを上げにくい月曜に、高い生産性を出せれば大きな差を生み出すことができる。

火曜日は「平日に最も働くべき日」。午前中は、最大の集中力を持ってソロワークに取り組む(月曜朝にやり切れなかったデスク業務を処理)。午後には週で一番多くアポを入れる。

水曜日は「平日の中では一番軽く」。午後はアポを詰め込み過ぎない。

木曜日は「平日で2番目に働く日」。

金曜日は「週末に備えて午後を最軽量に」。午後のアポは最小限(可能ならゼロを目指す)。終業直前にアポは決して入れない。「平日の最終日」ではなく「休日への入口」と考える。

「週末に本気で遊べる人ほど、仕事ができる」
「上質な休暇を過ごす人ほど、本気で働ける」
こう言い切ってもいいだろう。

オフを満喫するための絶対原則は、平日のセルフケアタイムと同じく、週末は「仕事のことを一切考えない」こと。

週末を奪い去る圧力が強い日本では、3ヶ月前には「ウィークエンドプラン」を立てよう。

丁重な姿勢で「申し訳ありません。そこは前々から決まっている別件がありまして」と「ためらわず即答」しよう。この「前々からの別件」というのは、「自分のための自由な時間」を確保するための「マジカルフレーズ」だ。躊躇したり、「スケジュール確認します」と「可能性アリ」をチラつかせることはご法度で、迷わず堂々と言い切ること。

「金曜の午後」と「月曜の午前」を軽くできていれば、万全の状態で週末に突入できる上に、休み明けを心配することなく遊び尽くせるだろう。

毎月3連休、季節ごとに4連休、年に1回9連休を取る。

仕事の予定よりも先に、「祝日」の位置を確認すること。「3連休以上の休み」を、どんな仕事よりも優先すること。これがポイントとなる。

そもそも、休むことも「仕事」の一環だ。そして、「困難を乗り越えて、バカンスを取るスキル」は、間違いなく仕事で役に立つ。

例えば、1泊2日の旅だと2日間とも移動日となってしまい、時間に追われてしまう。しかし、2泊3日には、移動がない「真ん中の1日」がある。現地で目覚め、眠ることができるその日は、時を忘れてのんびりできる「豊かな1日」となり、心と体をとことん癒してくれる。

さらに、2泊できることで行き先のバリエーションが一気に増える。例えば、離島への旅行を考えた時、2日だとあまり行く気にならないが、3日あれば行く気になるかもしれない。

このわずか「+1日」を軽視しないこと。「日数的にはたった1.5倍」だが、「実際の価値は数倍」になるからだ。

与えられた権利なのに、もったいない。有休を使い切らないということは、その日数分を「タダ働き」したことになる。

月と金のアポを避けた理由は、週末を「3連休」に拡張するためでもあったのだ。

担当アーティストが「年間売上1位」を記録した年の僕は、業界で最も忙しい人間の1人だっただろう。それでも「毎週の2連休」と「毎月の3連休」を確保。さらには、「季節ごとの4連休」と「毎年の9連休」も取っていた。

会社員生活での、バカンス最長記録は20日間。

・上司に嫌味を言われ、しばらく同僚から冷たい目で見られる
・人生を変えるほどの旅に出る
あなたはどっちを取るだろうか。僕なら迷わず後者だ。

一生忘れられない経験ができるだけじゃなく、ストレスが吹っ飛んで完全リフレッシュした脳は、休み明けには驚異的なパフォーマンスを発揮してくれる。

今すぐ、5年先までの連休を調べ、全てのスケジュールをカレンダーに入れてプランニングを開始しよう。

人より早く動くことで、宿や移動手段を希望通りに押さえることができる。格安航空券は間違いなく安く買えるし、宿も安価で取れるアドバンテージもある。

筆者はずっと、自分だけの9連休をデザインすべくカレンダーとにらめっこしてきた。

仕事のアポより優先すべき、前倒しで設定すべきは「自分との最重要アポ=各種バカンスの予定」というのが絶対ルールだ。

まずやるべきことは、深く呼吸して脳に十分な酸素を送り込みながら、手持ちのタスクをすべて書き出すことだ。

特に「頭の中のタスクの書き出し」は、集中力が最も高い早朝がいい。

ジョブズも「本当に重要なことに集中する方法はNOと言うことだけ」といつも言っていたという。

タスクは「時間」に換算して考える。すると、気が重くなるようなタスクも「時間で考えると軽い」と、瞬時に判断できるようになる。面倒だと思っていたタスクの多くが「実はそうでもない」と思えるようになる。

視点を変えて「時間という質量」に換算してみると、「なんだ、自分は数分で済むことでこんなに苦しんでいたのか」と、あっという間に気が軽くなるから不思議だ。
(大失態への謝罪の例)

1日は24時間と決まっている。特権階級や利権団体など存在せず全員平等。

すべてのタスクの作業時間をスマホのストップウォッチで測る。

タスクとスケジュールは1ツールで管理する。

筆者が以前チームで最も長く使っていたタスク管理アプリは「Todoist」。試した中ではダントツの機能性と使いやすさだった。周りのタスク管理達人たちの間では「Asana」の評価も高い。

「やりたいことリスト」を「ドリームリスト」と書き換えよう。

1日と週の大半、一生の大半を費やすことになる仕事に「夢」がないこと自体が恐ろしい。

研究によると、仕事や勉強を「他人からの強要」や「義務感」によって受動的に行うより、「自らやりたい」と能動的に実践する方が、脳が何倍も活動的になることがわかっている。

タスクの洗い出しと同じ手法で、心の最奥にアクセスして、仕事とパーソナル両方の「WANT TO DO」だけを書き出すのだ。このクリエイティブワークを行うのは言うまでもなく、聖なる早朝。

やり方としては、最初に「パーソナル・ドリーム」を100個書き出すといい。

仕事は単なる乗り物。人はそれに乗って目指したい目的地に向かって生きるべきである。その「目的地」とは本来、あなたの「パーソナル・ドリームリスト」にあるものなのだ。

すぐに返信しておけばたった3分で終わった「軽いはずのタスク」が、10倍以上の時間と労力を費やす「最重量のタスク」になる。非効率の極みだ。「仕事のできる人はクレーム対応が早い」の法則は正しい。

トラブル対応の達人は、気が重い案件ほど、即対応すべしと知っている。謝罪の返信が早いほど、その後の「対応→解決→報告」という一連のタスクの時短が可能となるからだ。覚えておいてほしい。「忙しいからこそ、即レスすべし」と。

「小さな面倒はすぐに片付けないと、後で大きな面倒になる」=「重いタスクは早く手をつければつけるほど軽くなる」。

トラブルとは「人の感情」をエサにしてむくむく大きくなっていくもの。トラブルが尾を引くケースを分析すると、次のことがわかる。ミスそのものは「怒りの入口」に過ぎず、相手は「謝罪が遅すぎる」「気持ちが伝わってこない」「態度に誠実さがない」など、ミスとは無関係の「あなたの態度」に対して感情的になっていることに。

嫌なタスクを後回しにしたところで何も得られない。早くやればやるほどそのタスクは軽くなり、寝かせれば寝かせるほど重くなる。

筆者は、「25分集中+5分休憩の30分サイクル」を3回繰り返して「1セット90分」とし、最後の休憩を15分にしている。今はこれを朝4時半のソロワーク開始から、ランチまでに4セット行っている。

この超早起き習慣こそが、今の僕の「仕事は基本、午前中のみ」というワークスタイルを支えている。

「45分集中+15分休憩(非集中)」がベスト。
(ハーバードメディカルスクールのスリニ・ピレイ博士)

アプリは1つしか立ち上げない。

PC使用中は必ず、見えない所にスマホをしまうこと。なぜなら、スマホが視界にあるだけで(意識していないつもりでも)、脳はスマホに気を取られ、集中力が奪われることがわかっているからだ。

執筆しながら調べたいことが出てきたら、その時だけブラウザを立ち上げる(そもそもネットをOFFにしていることも多い)。

集中力の損失は甚大だ。人間が再び元の集中力を取り戻すのに、23分15秒もかかってしまう。

メッセージの「常時チェック癖」は、集中力と時間を奪い取る悪習慣でしかない。メールやチャットのチェックは1日1〜2回と、時間を決めてしまうこと(理想は1回!)。

「働くのは週3日」と決めるようになったので、メールチェックは基本「月火水」の午前中にまとめてやり、「連絡が取れるのは週の前半だけのようだ」と認識されることを目指している。この習慣で得られる効果は絶大で、このまま定着させたい。

緊急じゃない連絡に、「ちょっと」と軽い気持ちで対応することで払っているコスト(それに割いている脳のリソース)は、「ちょっと」どころではないことを理解しよう。

メモとは「忘れるため」に取るもの。「作業記憶」を軽く保ち、良いパフォーマンスを維持するためにメモを取るのだ。

もしも今、「ヒットメーカーになる上で、一番役に立ったスキルは何か」と問われたら、それは「メモを取り、整理し、活用すること」と答えるだろう。

メモとは、仕事に限らず「人生のアウトプットを高める最良の習慣」だと信じている。

多くのメモアプリを試してきたが、結局は一番シンプルなApple純正「メモアプリ」に落ち着いた。

Apple社員は基本「純正アプリ」しか使わず、「メモ」でメモ管理を、「リマインダー」でタスク管理を、「カレンダー」でスケジュール管理をしている。超グローバル企業でそれが可能なら、どんな仕事も純正アプリで賄えるはず。

カレンダーを、スケジュール管理とタスク管理、さらに記録用のメモ帳として活用することで、仕事にまつわる多くのことが「カレンダーを見ればわかる」ようになると、業務フローのワンストップ化が進む。

メモを通して自身の奥深くにアプローチして、「内観」を繰り返していた。

エリートたちは、「繁忙期」には他を圧倒する勢いで働き、「閑散期」にはうまく手を抜いてスローダウンし、次の大波に備えて英気を養っている。

僕は人生をかけて「ラッシュ、渋滞、混雑といった非生産的な時間」をかわすべく生きてきた。人口密度が低いニュージーランドの田舎への移住は、その戦略の1つなのだ。

色々試した結果、行き着いたシンプルな答えが「全てを前倒しして、世間と時間をずらす」である。

よくやっていたのが、集中力が最高値に達する早朝から、自宅か近くのカフェで業務を開始し、フレックスタイム制度を利用してラッシュが終わる時間帯に出勤。ランチも当然、前倒し。いつも11時半からを「マイランチタイム」としていた。

日本人は夜更かしだ。必然的に、多くが「後ろ倒し思考」に陥ってしまうため、圧倒的な差をつけることが可能となる。

歴史を見ると、どんな社会変革も、必ず「1人の思いつきと行動」によって始まっている。

「言い出す時の緊張感」や「その後の気まずさ」なんてのは、1週間もすれば消える。長いキャリアで考えれば「一瞬=点」である。その先には、長期間にわたって享受できる、明らかなメリットが見えているのだから、挑戦しない方が不合理だ。

全力を尽くすべきは「瞬間=点」だけ。その「短期的な面倒」と、「その後ずっと続く苦しみ」のどっちが重いかを考えれば、答えはハッキリするだろう。

仕事において、捨てるべき最大の荷物は「機能不全を起こした職場の常識」。

多くの人が無意識のうちに、「上司や組織には従うべき」と思い込んでいる。その思考習慣を疑ってみたことはあるだろうか。

もっと広い視野で考えると、「組織や上司の評価」というちっぽけな価値基準より、「社会の評価」の方が何倍も大切であることに気づくはず。

同じ机の、同じ椅子に座って、同じ景色を前に、何時間もじっと作業を続ける。人類史の99.99%の期間、野外で狩猟採取生活を送ってきた人間にとって、その状況は異常事態。

景色が変わってくれないのなら、自ら移動することで景色を変える。

会社員時代、いつも上司や先輩から「あいつはまたどこへ?」と呆れられていた。ノマドやリモートワークなんて存在しなかった当時から、移動式ワークスタイルに挑戦していたからだ。当時のノートPCは処理能力が低かったが、デバイスのパフォーマンスよりもモビリティを優先した方が、仕事の生産性は高まると判断していた。

「アイデアは移動距離に比例する」(高城剛)

風景や場の空気が変わることで、五感が刺激されて脳が活性化し、発想力が高まる。

ベスト3をあげるとするならば、北海道のニセコ(雪のない季節は宿が格安)、京都(パリと同じくらい好きな古都)、福岡の糸島や熊本の南阿蘇(オーガニック食材が豊富)あたり。

筆者の周りでは、北海道から沖縄まで全国40ヵ所にある宿泊施設を、月額2万7500円で泊まり放題の「Livgng Anywhere Commons」を活用する仲間が多い。

夏のニセコは最高だ。絶景でキッチン付きのリゾートマンションが、長期滞在すれば一泊1万円以下になる。近隣に上質なカフェはあるし、ファーマーズマーケットに行けば有機作物が安く手に入る。

「席で目を閉じ、10〜15秒ほどメディテーションする」など、オフィスでやれることは意外にある。圧倒的に効果的だったのは「違う場所で作業をする」。

ただ歩くだけでストレスが解消したり、脳機能が高まることが、科学的に証明されている。

「歩行瞑想」には3000年以上の歴史がある。会社員時代からオフィスで、「プチ歩行瞑想」を1日に何度もやっていた。歩きながら考えると、頭は冴えわたり、次々とアイデアが湧く。迷いが消えたり、画期的な解決策を閃く。「落ち着かないヤツ」と、どれほど言われてもやり続けた。

ある時期から「どんな環境でも、超集中できるワークスペースを見つける達人」になっていた。辺境のキャンプ場、歩いてしか行けない山小屋、狭いビジネスホテル、雑踏の街角、騒がしいカフェ、途上国のスラム地区、北極圏の原野、赤道直下のビーチと、地球全域で対応可能だ。

人は行動して初めて、人生を変えることができる。

仕事を愛せず、人生は愛せない。

 

まとめ

そのタイトルと相反するかのように、非常に分厚い内容の本だった。
自分も早速いくつか実践してみたが、特にサラリーマンの方なら、筆者の「連休(長期休暇)の取り方」を学ぶだけでも、人生が変わるのではないかと思う。
「人生の最大化」のために、おすすめの一冊です。

 

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