Books

「成長」するための唯一の習慣とは:『1行書くだけ日記/伊藤羊一』

2023年3月12日

いだゆ

長野県出身。関東圏で働くサラリーマン。
明治大学を卒業後、オンワード樫山、ジョンソン・エンド・ジョンソン等に勤務。
趣味は読書(年間200冊ほど)、旅、犬猫。
【Twitter】@tabihonkoe
【Note】https://note.com/yuki423

「成長」するためには、◯◯以外は不要

「リスキリング」という言葉をとてもよく聞くようになった。
成長意欲や向上心に溢れる人たちが増えているということで、ものぐさな自分からすると、尊敬の一言に尽きる。

その「成長」のために、本質的に重要なものは何か。
そんなことをぼんやり考えていたら、以前読んだ本書のことを思い出した。
再度目を通してみると、改めての気づきがたくさんあった。

本書では、「成長」のために必要なことを、次の一文で端的に表現している。
・「振り返り」こそが成長に必要であり、むしろそれ以外はいらない、と言えるのではないか。

毎日の生活の中にこそ、成長に必要なことは詰まっていて、それを糧にしていくために、「振り返り」が最も重要。
そんなメッセージだ。

「成長」や「自己研鑽」というと、つい、何か特別なことをしないといけないのではないか、という思いにとらわれてしまいがちだ。
だけど、そのための「種」は、特別ではない「日常」の中にこそ存在している。

そんな大切なことに気づかされました。

抜き書きメモ

(※個人的なメモのため、一字一句が本文と同じではありません)

断言できるのは、生き方を変えるようなドラマチックな出来事がなくても、毎日の仕事や生活の中に、
・成長するために必要なこと
・自分がやるべきこと、やりたいことを見つけるヒント
は詰まっているということ。

誰かに言われた仕事に振り回されるのではなく、仕事もルールも自分でつくり出すものだと、今では思うようになりました。

毎日、1行だけ日記をつける。振り返りの習慣をつける。これだけです。

僕の夜の毎日のルーチンは、「日記」+「散歩」+「瞑想」です。忙しくても必ずこれをやります。

「振り返り」こそが成長に必要であり、むしろそれ以外はいらない、と言えるのではないか。

結局、人の成長を決めるのは、持って生まれた性質ではなく、毎日起こる様々な出来事を題材にして、どれだけたくさんの気づきを得られるか、その回数を重ねていけるかということ。

「非日常的な経験」と同じくらい大事なのは、日々の振り返りです。その日に起こった出来事をきちんと拾い上げて、自分にとってどういう意味があるのか考え、気づきを得るというプロセスを繰り返し、気づいたことを実行してみる。

成果を上げる人や、成長が早い人は、「メタ認知力」が高い。「メタ認知」とは、「自分が認知していることを認知すること」という心理学の用語ですが、「自分自身をまるで外から見ているように客観視すること」と考えてもよい。

誰にでもこの「メタ認知」ができるのが、「書く」こと。

「振り返りをして、気づきを得る」という習慣が自分の中にビルトインされているから、50代の今が人生で成長のスピードが格段に速い。

「自分にとってどういう意味を持つか」という視点で学ぶ。

振り返りの時間を持つことによって、逆に自分の時間をつくることができる。

僕はよく日経新聞の「私の履歴書」を書いている自分や、「プロジェクトX」の主人公になった自分をどこかで妄想しています。

現在では「Day One」というアプリを使っています。

手書きでもPCやスマホへの入力でも、大事なのは、言葉にすることです。言葉にするプロセスを通じて、自分にとって必要な体験を取捨選択して、抽象化することができます。

「振り返り」の時に大事なのは、「自分にとってそれはどんな意味がある?」という問いです。

ただ目の前を過ぎ去っていく様々な事象も、全て自分事として考えることができれば、そこから多くのことを学べます。

その日に起こった出来事や感じたことを言葉にして記録する。それを見て「自分にとっての意味」を考える。そして「そうか!」と気づく。この一連のプロセスが僕の振り返り方法です。

ポイントは、その時の情景や自分の感情が思い出せるようなキーワードを入れておくこと。アプリを利用する人は、写真を撮って載せるのもおすすめ。

「そもそも、〇〇とは何か」という問いを立て続けることが大事。

僕は、時間がある時には必ず1行日記を取り出して、何回も読み返しています。前日のものはもちろん、1週間、1ヶ月、3ヶ月経ってからも、ことあるごとに読み返して「これはどういうことだろう」と考えています。

僕は毎晩、1行日記を書いて、その後、散歩して風呂に入り、瞑想をして寝るのが習慣です。

映画や本も振り返りの材料にする。

「自分にとってどんな意味がある?」の振り返りをしないと、本を読んだところで身につかない。

「どんなアウトプットにつなげるのか」という意識を持って読む方が身につきやすい。

「インプット→アウトプット」よりも、「アウトプット→振り返り→インプット」という順番の方が、圧倒的に成長スピードが速い。

「行動→振り返り→気づき」を得て、またすぐ行動するというサイクルを、自分の習慣にできるかどうか、愚直に回し続けられるかどうかが人生を左右します。

毎日、死を意識する。

「ブログのネタがなくて続きません」という相談を受けることがあります。その人が一番詳しいのは、毎日当たり前のようにやっている仕事、これまで続けてきた大好きな趣味、そして自分自身のことについてです。その中からなるべくたくさんの気づきを得て、テーマを決めて理論を構造化していくことができれば、必ずその道の「専門家」になれるはずです。

「1行日記」は何度も振り返ることに意味があります。過去に起こった出来事も、見直しているうちにどんどん解釈が変わっていきます。

1行日記を何度も読み返すことが大切なのは、その作業を通じて、過去に起きた出来事の意味を再定義できるからです。起こったことは変わりませんが、その記憶にどんなラベルをつけるかは現在の自分次第だからです。

日常のイラっとしたことも、「なぜ、そう考えたんだろう」と自問し、それを深く振り返ることで、自分の価値観に気づくこともあります。

反復して日記を見直すことで、「自分の人生にとって何が大事か」という思考を深められる。

自分にタグをつけよう。「デザインセンス」「アイドル」など。

大振り返りは、しっかりと時間をとって行うことが大切です。僕は、リゾート地や、都内のホテルに一人で宿泊して、ずっと「大振り返り」を行い続けます。リラックスして、1行日記を見返しながら、ぼーっと頭の中で、振り返りながら、ぐるぐると想いを馳せます。

スティーブ・ジョブズなど優れた経営者のスピーチは必ず「Why」から始まる。

情動や意思を司る大脳辺縁系は「Why」に反応する。

僕は1行日記で振り返って得た小さな気づきをFacebookや Twitterでシェアしています。例えば「そうか、オンリーワンが大切だな」と思ったら、そのことを書きます。SNSでは、あまり起承転結を意識せず、メモのように気づきを書いています。

そうしたプチ気づきの発信を重ねていくと、気づきが小さな結晶のようになっていきます。それがある程度貯まったら、noteやブログなど少し長いものにまとめてみるのがいいと思います。

定期的に1on1ミーティングで対話をする。相手は家族でもOK。

言語化というのは、それ自体が気づきのプロセスです。

人間の思考には、どうしても癖があります。知らないうちに、その癖に基づいて考えてしまうので、壁にぶつかってなかなか解決できない。そんなことがあります。その時、「えっ、どうして?」「なぜ、そう思ったの?」という素朴な質問をしてもらうことで、自分の思考の癖に気付いて、軌道修正することができます。

壁打ち(他者との対話)を通じて、自分の思考を深めることができる。

「1行日記」を持って、1人合宿をするのもおすすめです。「大振り返り」を行うためです。

僕は年に何度か、都内近郊のホテルやリゾート地にこもって、自主的に1人合宿を行なっています。

目先の仕事の締切や調整ごとに追われてしまって、長期スパンで見て自分の人生をどうしていきたいのか、そもそも自分は何をしたいのかということを深く考える余裕がなくなってしまう。忙しさに追われてアップアップしているから、考える時間がとれない。考える時間がとれないから、効率が悪くなってくる。ますます目の前の仕事に追われてしまうという悪循環です。

ですから、意識的に日常から離れて、毎日の仕事から切り離した時間と場所をつくるようにしています。

チェックインしたら、普段とは違う風景をボーっと眺めて、まず気分を切り替えます。それから、1行日記やライフラインチャートを読み返しながら、大振り返りや、中長期的なプランを立てます。普段、積ん読になってしまいがちな本を何冊か持ち込んで、集中して読むこともあります。

ちょっとだけ非日常の空間に身を置いて、自分の思考回路を定期的にメンテナンスすることで、新しい気づきを得られます。

どうしても忙しい時には、半日だけ遠出して、都内近郊の海が見えるカフェなどで作業することもあります。思い切って場を変えて、「そもそも今の自分の状態は、これでいいんだっけ」という風に、落ち着いて考えてみるようにしています。

振り返りの時間というのは、自分が成長していくために不可欠なもの。1行日記で毎日の習慣を作るのと同時に、1on1ミーティングや一人合宿といった時間を定期的に、丁寧に取り続けることが大事。

忙しさにかまけて振り返りをやめてしまうと、余計に目の前の仕事に追われて忙しくなる、という悪循環に陥ってしまいます。

毎日の振り返りこそ、自分を成長させる唯一の特効薬。騙されたと思って、ひとまずやってみてほしい。毎日の振り返りを愚直なまでに繰り返すことが、「とんでもないところへ行くただ一つの道」です。

自己嫌悪は振り返りのパワーになり、自分に気づきを与えてくれます。

目の前の仕事が忙しくて、振り返りなんてしている時間がないのもわかります。でも、その目の前にある経験こそが自分を成長させる糧なのです。

今日の仕事、昨日の仕事、家族との会話、通勤風景。そこで経験したことを、二度三度活用していけば、絶対に成長します。毎日の出来事を、どれだけ有効に使うか。通り過ぎてしまうのは、もったいない。

「振り返り、気づく」ことを繰り返しているうちに、ガンガンに成長するようになりました。

まとめ

読み終えてすぐに、本書内で紹介されていたアプリを使い始めてみた。
自分の思考が「可視化」され、かつそれが「記録として蓄積」されていくことが成長につながっていく、という実感を早くも感じ始めている。
もっと早く始めたかった習慣です。

関連おすすめ記事

『メモの魔力(前田裕二)』は、人生を変える「科学」の本だ。

『これからの会社員の教科書(田端信太郎)』は、すべての会社員必読の書だ。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

いだゆ

長野県出身。関東圏で働くサラリーマン。
明治大学を卒業後、オンワード樫山、ジョンソン・エンド・ジョンソン等に勤務。
趣味は読書(年間200冊ほど)、旅、犬猫。
【Twitter】@tabihonkoe
【Note】https://note.com/yuki423

-Books